みんなのレビューと感想「島さん」（ネタバレ非表示）

設定を殺して

新鮮なのは、「元極道のコンビニ店員」という設定そのものではなく、むしろその設定の「殺し方」みたいなところにあるのではないかと思った。
本作は、いい意味で、とても慎重に設定を殺している。
もう少し誤解を避けて言えば、設定から想起されるありがちな展開を、実に巧妙に回避している。

私が何となく予想していたのは、次のようなストーリーだった。
元極道のコンビニ店員である島さんは、普段はおとなしく仕事をしている。
そこに何らかのトラブルが起きる。
例えば、悪質なクレーマーが来るとか。
そこに温厚そうな島さんが出ていって、クレーマーは「何だてめえは？」とかすごむけど、何かの拍子に刺青が見えてしまうとか、島さんが尋常でない殺気を放つとかして、クレーマーは「すみませんでしたー！」となる。
みたいな。
そういう漫画かと思っていた。

違う。

島さんは、元極道的なパワーを全く使わずに、あくまで温厚なままであって、その実直さや誠実さ、気配りや思いやり、洞察力、といったありふれた(？)人間的スキルでもって、コンビニの日常の諸問題を解決に導いてゆく。
それを、一種の人情話として描いた漫画である。
「ありがちな展開には絶対にしないぜ」という作者の気概が伝わるようで、その心意気や、よし。

ただ、こう書くと、「あれ？元極道って設定、要らなくね？」と思われるかもしれないが、そうでもない。
作中に流れるのは、すねに傷を持つ者が放つ独特の説得力と、「この設定がこの先で活きてくるんだろうな」という期待感だからだ。
そういう意味では、かなり緻密に組み立てられた漫画だと思うし、それはこの先の話で、実証されるのではないかと思う。

あとは、枝葉の部分になるが、作中、背中の刺青のワンカットで、島さんが元極道なのだ、ということをさりげなく提示するところなんかは、何ともセンスがあって、好感を持った。

めっちゃ面白い！

少年漫画は好きじゃないので、広告で何度か出てきたけど初めはスルーしてました。でも、広告で見れるストーリーの先が気になって無料のから試し読みしてみたら、面白い！！
飄々としてるのに実はワケアリな感じとか、レジ打ちはモタつくのにコワモテの相手もなんなく退散させちゃうところとか、主人公の島さんの動向が気になって60ポイントとお高めなのに一気に読んでしまいました。静かなるドンとか、ごくせんとか好きな人にはオススメだと思います。

癒されるし、大人として学びにもなる

コンビニの裏側のリアルを感じつつ、島さんの温かい人柄やまなざしに癒されながら読み進めています。
長く極道の世界で生きてきたと思しき島さん、それを微塵も感じさせることなくいつもやわらかくて、でもやっぱり体に染み付いた習慣や考え方みたいなのはすごく律儀でキチンとしてて。トラブル時の受け止め方なんかは、なるほどなと勉強にすらなります。
島さんはもちろん 取り巻く人々の応対や反応もすごくリアルで、登場人物それぞれに感情移入。色んな人に自分を重ねて読んでいると、島さんの優しさが身に染みます。

日々頑張っているオトナには特に、癒やしだったりまた頑張る素になるんじゃないかなと思います。

いい店員

去年までコンビニ勤務でした。
こんな人おったら心強い。
年齢確認本当に大変です。
年齢確認させていただいてよろしいですかって聞けばほとんどの未成年者は引き下がるけど、たまにこんなやつおるのよ(-_-;)
順番抜かすやつとかおるのよ。
私が戦ってきた事を島さんが気持ちよくやってくれてるので嬉しい(^_^)
無料以降も購入させていただきますm(_ _)m

無料短過ぎ

面白いと思う。おっさんのコンビニバイトの人情劇というテーマは斬新だし、背中に刺青という伏線の張り方も素晴らしい。が、無料分が短過ぎ。無料分は、続きを買わせるために、タダで読ませて「ハマらせる」ためのもの。それなのに短過ぎて、ハマるところまでいかない。面白そうだな、ってとこまでで、消費されておわり。
無料分をケチったらタダで読ませる意味がない。
作品の出来よりも、販売側のミス。
漫画をお金出して読んでもらうというのは難しいことだという大の基本を忘れてる。甘く見過ぎ。
大作家で、1〜2話でハマらせる大傑作じゃないのだし、もっと読ませないと。
悪くない作品だけに余計にそう思う。

人のいいおじさん

角が取れて丸くなった元ヤクザのおじいさんがコンビニバイト。
コンビニっていろんな人が来るから怖い思いをすることも多々あると思うけどこういう人がいてくれたら心強いだろうな。
もちろん全員じゃないだろうけど、昔悪かった人って歳を取るといろんな経験をしている分道理の通った人の見本になれるような人が多いイメージ。
主人公はそんな人。
先の展開も見守っていたい作品です。

ほっこり　じんわり

はじめは、島さんがいつ豹変するのか⁈とかいつかカマしたれ！とか要らん事おもいながら読んでいましたが、心温まるエピソードや泣けることが多くて、どのお話も大好きです。主人公はイケオジでもないお爺さんに近いおじさん、絵もシンプルで、エピソードも日常的なことの切り取りなんだけど、愚痴で片づけそうな事を拾い上げる着眼点とか、島さんと他の登場人物との考え方の対比とか、素敵な作品だと思います。

年齢確認ね

年齢確認が始まった頃にコンビニバイトしてました。
自分の中学の学年下の奴が、親に言われて買いに来たんですー買ってかないと殴られるんですーって来た。
ニヤニヤしながらで嘘なのは明らかなので売らないでいたら、当時の店長が出てきてペコペコしながらレジ打ちしてたな。

こんな風にとは言わないが、毅然と対応して欲しかったのを思い出した。

続きも読んでみたいと思います。

昔やんちゃして色々あった人が人生悟ってコンビニでバイトしてる話？まだ全部読んでないけど、、、心が切なくなるエピソードが多いです。考えさせられることも多いですが、、、

コンビニでバイトしたくなる！

コンビニを舞台にした、青年誌によくあるヒューマン漫画と言ってしまえばそれまでなんだけど。
コンビニで働いたことはないけど、接客の仕事をしたことはあるから客は選べないってのは分かるし、ましてコンビニは今や社会のインフラ。
置いてある商品を売るだけでなく、ホットスナックやおでんの準備、宅配便の受け渡し、公共料金の受領、チケットの発券やマルチコピー機のお世話などなど、あの小さな店内にものすごく色んな業務が詰まってる。
なのに時給は最低賃金。
ほんと割に合わない仕事だと思う。
それでも本当に便利だし、小さい店舗に色んなものがギュッと詰まってるのが楽しくてついつい寄っちゃう。
そんなコンビニで飄々と頑張る島さん。
ほんと応援したくなるし、一緒にレジに入ったり、一緒に品出ししたくなる！