5.0
センチメンタル
昔観たアメリカ映画で、ゲイのラブストーリーを思い出した。
自然に始まる恋心と、不自然な現実 不安な未来。それは同性愛は異質だという観念が根付いているからで、現代になってその固定観念は、昔に比べれば薄くなってきたように思う。それでもやっぱり・・同性で添い遂げるには、色んな事に縛られて生きている人間には簡単な事じゃないよね。
大人になれば良い恋愛ができる訳ではないし、若いから分別が持てないとは限らない。
トシの様に自分の心に硬いフタをして、都合の悪い事にはわざと気付かぬように生きるのも有りだと思う。
でも正直、美穂の愛し方は残念だと思ってしまった。義孝はトシと別れて新たな恋が出来たかもしれないのに、結婚した事で結局トシを引きずり続けたし、美穂は愛する男に抱かれる事も無い。家族愛は生まれても、それは美穂が求める愛ではなかったはず。愛してくれなくても良いから付き合ってというのは、酷いエゴだ。
なんだかんだ言って、固定観念が強そうだった歩が誰よりも同性を愛する現実を受け入れ、覚悟を持っていた。
痛みを受け入れて、覚悟を決めて愛に挑む人に敵うわけないよね。
とても素晴らしい作品でした。
- 3