3.0
初めての題材
「カーマ・スートラ」を題材にした作品を初めて読んだが、経典の具体的な中身は全くなく、愛によって行われる施術だと何度も説いている。
性技だけでなく、リラクゼーションや薬学に及ぶ広い範囲で、心身の健康と調和のための学問であることは理解した。
こうした学問や知識を、自分と敵対する者達に対して害するような目的で使うことは、経典の本質から外れてしまうことも。
ただ、インドでは歴代王の妃達が、自分が産んだ王子を王座につけるために、他の王子を害して死に至らしめてきた歴史がある。それはインドに限らず、後宮のあるオスマン帝国などでも同様だ。
隣国に戦利品として持ち帰られ側室として暮らし、王の子を懐妊した時点から、王妃からの嫌がらせが止むという…、ハッピーエンド的な結末は、ちょっと綺麗事でまとめてしまっている。
官能的な作画でもなく、内容も中途半端感があり、期待して読んだだけに少々残念な作品である。
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