5.0
…深い、深い、深いです。
まるで良質の文学作品を読んだかのような、
何かがずっしりと胸に来る読後感でした。
人間の弱さゆえの苦しみ。
苦しみ、癒やし、裏切り、許し。
人が人に与えられるもの。
神ではなく。
殺し、死に、再生する。
堕ちたその先に見えるもの。
すべてが、愛に通じている?
そんな風に思わせてくれる、
ギシギシと骨が軋みあうような
痛くて切ない
漆黒の闇に芽生えた、愛の話。
敬虔なクリスチャンである義母に嫌われたくないがために、性行動をすべて否定し、オ●ニーすらしたことがなかったエリート会社員の九鬼。
そんな自分を変えようと、専門のクラブから人を派遣してもらい、「私にS●Xの仕方を教えてください」と依頼する。
しかし、やって来たのは、会社にインターンで来ており、自分の管轄下にある大学生だった。
それでも、マスクをしておりバレないと思った九鬼は予定通り実行する。
一方、大学生のほうも、顔や首の黒子からすぐに九鬼だと気づいていたが、気づかないフリをして仕事を続ける。
性行為をしようとすると、涙を流しながら「ごめんなさい」と謝り続ける九鬼。そんな九鬼に、大学生は「あなたは謝る必要などない」と言う。
ここから先は、作品の山場となるところでもあるので、ぜひ実際に読んでみてください。
あなたはどんな愛を感じとるでしょうか。
- 1