3.0
陰陽道らしくほぼ黒と白のみで構成された画
陰陽道のお話に合わせて、全体を通してほぼ黒と白のみで描かれている作品でした。そのデザイン力に感嘆します。
ただ、顔の描き分けが分かりにくいところはありました。
お話もおもしろかったのですが、古語の意味の注釈がまったくないので、古典の基礎教養がないと分かりにくいと思います。その辺りは編集部にもっと仕事をしてほしかったです。
最終話、あともう1話あれば余韻も十分に、満足度はもっと高かっただろうなあとは思いますが、きれいにまとまっていました。
タイトルの『暁の闇』はクライマックスでその意味を説明されますが、それとはダブルミーニングで、きっと、この国やこの世の暁となる宮様や、陰陽道の暁となるほどの力を持つヨリミチが抑え込まれ抱える闇のことなのだろうなと思います。よいタイトルだと思います。☆3.5
コミックス版では、あとがきなどで原作者の文章が掲載されていましたが、句読点の位置や文章のトンマナ、い抜き言葉の羅列など、とても文章を生業とする人の力量ではない文章のように見えたのが興醒めでした。
この事件を長編の発端として、もっと続きも読んでみたかったですが、もともと他社で未完に終わったもの(あの挨拶やあとがきの文章を読んだ後なら原作者の力量から未完の事情は察せられます..)を漫画に、ということなので続きは書けなかったのかもしれませんね..残念です。
しかしとてもよい作品でした。
- 1