5.0
原付に乗り始めた三十数年前を思い出す。
主人公の女の子の設定はなかなかにヘビーなんだけど、それまでに何にも持っていなかった高校生にとって、スーパーカブというバイクはとてつもないアイテムになる。
劇的に世界が広がり、それまでの日常から知らずにいた非日常の世界へと連れ出してくれる強力な武器なのだ。
当時、原付免許を取って初めてバイク(カブじゃ無かったけど)に乗リ始めた頃、自分の行動範囲が劇的に広がって自分の知らなかった道や世界を知る事が出来る様になって、この作品の主人公の様に「楽しい」「何処までも行ける」そう思ったものです。
北海道に住んでいるのだけど、冬もタイヤに荒縄巻いて乗っていたっけ…。
私が通っていた高校は所謂3ナイ運動で免許も取れないしバイクにも乗れない学校でしたが、必死でバイトして内緒で免許取って、中古でバイク買って、学校中のほとんどの生徒が知らない世界、出来ない事を一足先に知り、出来ていた自分は「特別」だと感じたな。
主人公が作中で感じた事全てがよく分かります。
今もバイクに乗っており、大排気量も小排気量も様々乗って来ました。でもまだスーパーカブには乗った事が無い。
私の若かりし頃はスーパーカブは仕事で乗るかオヤジやジイサンが乗るバイクっていう扱いだったのに、近年は若い女性にも大人気のバイクになっている。
バイクに乗り始めた若かりし頃は全く魅力を感じなかったスーパーカブですが、最近はとても魅力を感じる様になっていたところでこの作品に出合い、ますます欲しくてしようがなくなった。
スーパースボーツ、レーサーレプリカ、ネイキッド、ツアラー、スクーター、様々乗ってきたけど、きっとスーパーカブにしかない魅力、スーパーカブにしかない世界、スーパーカブじゃないと分からない事があるんだろうなぁ…。
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