【ネタバレあり】ガンニバルのレビューと感想

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  1. 評価:5.000 5.0

    これ以上は、何も

    前近代的な村に赴任してきた主人公の駐在が、村の人間が人を喰っているのではないかという疑惑を追うサスペンス。

    カニバリズムの異様性が醸し出す不穏な緊張感と、「八つ墓村」的な村の閉鎖性が煽る緊迫感、このダブルパンチがなかなかスリリングで、一気に読ませる。

    絵も、作品との相性はばっちりで、ちょっと劇画の香りを漂わせつつ、抜群の迫力がある。
    特に、登場人物の表情の雄弁さは素晴らしい。
    泥臭く、破壊力があって、しかも、繊細だ。

    主人公の娘が口をきけない理由、布を被った謎の大男(横溝正史の「犬神家の一族」へのオマージュかもしれない)、「後藤家には関わるな」という村の掟の秘密など、ストーリーの随所に魅力的なアイテムが散りばめられており、文字どおり、一部の隙もない。

    また、サスペンスでありながらなかなかドラマチックでもあり、特に、妻と娘を先に村から逃がして自分は村に残ろうとする主人公の決意のシーンは素晴らしい。
    こういうのって、普通だと「いや、逃げたらええですがな」という突っ込みどこなのだが、そういう「お約束」的な文脈を超越した、作品としての気高さに、私は泣いた。

    ストーリーの面で、何と言ってもポイントが高かったのは、あくまで皆「人間」という枠内で作品を編み上げた点だ。
    こういうタイプの作品は、往々にしてゾンビやらのモンスターが怪異の正体になる傾向にあり(別にそれを全否定するつもりもないのだけれど)、正直、途中までは「どうせ村人がゾンビ化しますんやろ?」と思いながら読んでいたのだが、いい意味で、完全に読み誤っていた。
    人を喰う村がある、というだけの設定から、よくぞここまで築き上げたと、手放しで称賛せずにはいられない。

    そして、村人たちの造形も、単なる異常者、ではない。
    時代に取り残された村という小さな世界の中で、また、因習と血脈というある種の呪いの中で、それぞれの村人が死に物狂いで何かを守ろうとしながら生きる姿もまた、私の胸を打った。
    主人公、その家族、村人たち、捜査関係者、その全ての姿を、思いを、真摯に描こうとする、作者の立ち位置が美しい。

    完璧だ。
    私は、サスペンス漫画に、これ以上は何も望めない。

    by roka
    • 290
  2. 評価:5.000 5.0

    配信されている30話まで読みました。
    訳あり駐在が左遷された先は、前駐在が行方不明になったある小さな村。
    そこに住む後藤一族は、他の村人たちからも距離を置かれていて、そこだけ違う異様な雰囲気が漂います。
    そして前駐在は、その後藤家の人間によって殺されていたことがわかります。

    この村から出ることを考えていた駐在夫婦ですが、ある事件がきっかけで言葉を話さなくなった一人娘が、この村で過ごすうちに元気を取り戻していく様子を見て、この村で生きていくことを再び決意します。

    その後凶暴な後藤家とは距離を置く、他の村人たちと交流を深めていくのですが、その他の村人たちこそ卑怯者だと忠告する後藤家の人間。

    この村で心を許せる人間はいるのか、、?
    グロテスクな描写もありますが、それ以上にストーリーに引き込まれます。
    これからの展開がめちゃくちゃ楽しみです!!!

    • 37
  3. 評価:5.000 5.0

    えらいもん見た

    なんかすごい漫画見てしまったという感想。
    胸糞とは違うんだけどゾッとした。
    子供助けて証人も得てこれで一気に片付くかと思いきや、まだやばい状況が続きそうで読み終わってどっと疲れた…

    あの村長ってどう見ても西●きよしよね⁇ 警察のあの人は小日向さんに似てるしそればっかり気になる

    by 匿名希望
    • 35
  4. 評価:3.000 3.0

    引き込まれる…

    簡単に言うと閉鎖的な過疎化した村ならではの昔からの風習と、よそから来たその土地に赴任してきた警察官がその風習の真実を探る戦い。
    昔から当たり前にやってきたことを、注意されても何が悪いの?と思う村の人の心情がリアルと言うか…今でもどこかでこういうことが行われてるのかも…と思わせるような。引き込まれるものがあります。絵がうまいので話によってはちょっとグロいと思ってしまうかも。

    • 15
  5. 評価:4.000 4.0

    血族

    血脈を護ることが優先され、個人の意思など認められない閉じた環境、差し出される幼い生贄。一族という歪みに囚われるそれぞれの人生。
    排他的な狭い社会が生む悲劇に立ち向かうひとつの闘いのお話。

    ことの大小はあるにせよ、こういうのは確かに在った。だから恐いし哀しい。

    by 匿名希望
    • 17
  6. 評価:5.000 5.0

    こんなにも面白い作品は初めて!

    ただ猟奇的な話かと思いきや人物一人一人に過去があり、複雑に絡みあい、解けなくなった結果だと思い知らされるお話です。
    キャラクターが好き、キャラクターありきで読み続けることはありますが、話メインで読み続けた作品は初めてです。
    ぜひ読んでほしくて初めて口コミを書きました。単行本を買うか悩んでいます。それくらい夢中になる作品です。早く続きが配信されてほしいです!

    • 9
  7. 評価:5.000 5.0

    書き直します!
    最後まで読みました。
    なんかもう泣ける…。白銀と銀さん、銀さんからしたら復讐の為に産み落とした我が子。でもそこに愛があったと最後にわかった。銀さんからしたら最期は満更でもなかったのかな。白銀も記憶が曖昧ななか母親が自分が生きる場所を作ろうとしていた、金次が母親を殴ったことは鮮明だったようで、だからゆきやましろがトリガーにもなったし、銀さんのときも泣いていた。過去編が好きで白銀が生まれてからは泣ける。

    • 5
  8. 評価:4.000 4.0

    NEW
    ハマります

    まだ無料分しか読んでませんが、ハマりました!!
    ちょっとグロいシーンもありますがそんな事気にならないくらい物語に引き込まれます。
    漫画だけど映画を観てるような感覚になります。
    とにかく面白いです!!

    • 0
  9. 評価:5.000 5.0

    グロが大丈夫なら読むべき一作

    『食人』で真っ先に想像したのが、映画『グリーン・インフェルノ』の食人族のような、村にやってきた外部の人々を原住民が『食料』と見なし次々と捕食する...といったものだったが、そんな単純なものとは全く別のベクトルの世界感だった。めちゃくちゃ深い。

    これはもはや文明と文明の衝突。戦争。
    後藤家からすれば、後藤家以外の人間は文化伝統を壊しにくる『侵略者』でしかないのだ。
    私達のいう『一般的な常識』からは考えもつかない独自の文化や伝統をこの後藤家は代々、そしてこの瞬間も『守っている』のである。
    それもまた後藤家からすれば一般的であり常識。
    (どうやら銃を持つのも常識っぽいです笑)

    見方を変えればどちらも正しい。
    決してわかり合えない者同士だから敵対する。
    それは個人間においても起こりうる事ではある。

    ただ、この集団における閉鎖的な概念はまた(作者の意図と違っていたら申し訳ないですが)今の新興宗教にも通づるところがあるな、と。

    確かに信仰や信念を持つことはもちろん自由であると共に、他に阻害される事も良しとしない事も確立されている。ただ反面、信仰を絶対的なものと位置づけ、大多数の意見を確実な正義とし、考えることを止めたら、疑うことを止めたら、それはもはや人としての境地をも超えてしまうのだな、と。

    確かに始めは異を唱えるその余地すら与えられないスピード感もあるが、話が進むにつれ加速する緊迫感や異常な空気感は、疑念を持ち行動する者、飲まれるまま従う者、疑う事を知りすらしない者、様々な人物描写が絡み合うことで完成されている。
    少ししか出てこない人物でさえ欠かせない。
    全ての登場人物に意味がある、緻密に構成された作品だと思う。

    • 3
  10. 評価:4.000 4.0

    最終話まで見ました!

    深みのあるラストに、なんて〜〜〜!?ってとこで読了。後藤家だけじゃなかったんなら、今までのやり取りは一体……??解釈により評価分かれるかも。個人的にはもう少し謎を明かして完結してほしかった(この含みを持たせる終わり方がホラー的様式美なのかも知れませんが……)
    あと、あの人って結局ずっと檻に入れられてたの?意外と外に出歩けてたの?突如として現れるからこれも理由明かしてほしかったw

    • 0
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