5.0
小学生ではじめて読み、子ども心にもその救いのなさが、ある意味衝撃として心に残った作品です
おとなになり30を過ぎて、ふと思いだし、読み返したくなり手に取りました
確かに救いのあるなしで言えば、ないのかもしれない
だけどやはり、改めて読んでも、この作品にはわたしの心を掴んで離さないなにかがありました
強烈な切なさ、悲しさ、主人公をいとおしく思う気持ち、そしてどこかに救いを求める気持ち、、読み終わったあとのわたしの心は、それらの思いがうずまいていながらも、ただ呆然としたような状態でもありました
そして思ったのです、これはただ、こういう作品なのだ、と
わたしたちはつい無意識のうちに、なにが言いたかったんだろう、この女性の生きた意味はなんだったんだろう、などと、作品に対してその意味や結論や、説明を求めています
うまくまとめるわけでもなく、ただひとりの女性の人生であった、それがただ、人より悲しいものであった、ただ、そういうことなのかもしれません
ふしぎな魅力のある作品です
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