5.0
一緒に空を飛びたかった黒い鳥と白い鳥
架空の鳥人を描く中華風ファンタジー「鴆(ジェン)」シリーズ第二弾。
前作のフェイとツァイホンペアも大活躍です!
有毒な植物を好んで食べ、その毒が色となって羽根に表れる鳥人ジェン。身内に持つ毒の強さ、その表れである美しい色の羽根を持つことがジェンの誇りであり、観賞用の鳥として高額で取引される価値でもある。
ところが、ジーイエは色が混ざって真っ黒い羽根になってしまい、リウシンは色が出ずに羽根が白いまま。異端のふたり(二羽)はジェンの仲間内では普通じゃないと敬遠され、商人たちにも価値がないと持て余される。
虐げられてきたふたりは出会ったときからお互いの存在に助けられ、運命の番ができるまでずっと一緒にいようと約束する。
前作の主人公であるツァイホンがこの世で一番美しいと言われた虹色の羽根を捨て毒を抜き白くなったのをきっかけに、白い羽根は潔白の印として尊重されるようになった。
リウシンはジーイエとともに買い取ってくれることを条件に新しい主人に仕え、その指示にそって毒を抜き名実ともに白い羽根になって人が会えるジェンとして有名になっていく。
ジーイエは、ジェンの誇りを捨て、自分に対してもすっかり態度が変わったリウシンの真意がわからずに悩む。そしてある日唐突に自由の身だと屋敷を追い出されてしまう…。
前作同様、大切な人(鳥?)の願いを命がけでも叶えたいという気持ちが引き起こす切ないストーリーです。
リウシンのジーイエへの態度がだいぶひどいので、ジーイエがかわいそうで、幼い頃はジーイエに助けられてたのにお前なんなんだよーと思うのですが、事情がわかったあとは健気すぎると泣けます。
小さいジーイエとリウシンが絆を深めていく様子は可愛らしいし、なにより気持ちが通じ合ったあと、リウシンがジーイエに向けるラブラブ光線がたまらん!
ご飯を受け渡したり、服を着せ合ったり、羽根の手入れをしてあげたり、リウシンの大きな羽根で囲ってくっついてお昼寝とか、ジーイエと仲のいいツァイホンにツンケンしたり、でも番と呼ばれて喜んだりとか、もうもう愛情だだ漏れでごちそうさまって感じです!
もちろんフェイとツァイホンペアも仲良しでうれしい。
みんな幸せになってよかったよかった。
これからもいろいろなジェンのストーリーを見たいし、この二作のペアたちが幸せに暮らしている様子を知りたいなぁと思います。
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