5.0
少年漫画としてのホラー
嗚呼、もう、懐かしさで心が震える。
ジャンプの「ホラー枠」といえば、これだった。
基本的には「世にも奇妙な物語」系のオムニバス・ホラーで、今となっては珍しくも何ともないけれど、当時の少年誌の読者にとっては、漫画としてとても新鮮に感じられた。
ホラー好きな少年漫画読者としては、もう、たまらなかった。
当時、より大きな漫画のマーケットで見れば、ホラー漫画自体が流行っていたけれど、いわゆるホラー漫画雑誌に載っていたホラー漫画とは、明確に違った。
それは、本作が、あくまで「少年漫画」の文脈を守っていたことだ。
ホラーは、怖がらせたり不安にさせたりするのが本分だから、当然、善人が決まってみんなハッピーになってはいけない。
何の罪もないキャラクターが、不条理に酷い目に遭うのがホラーなのだ。
だが、「アウターゾーン」は違う。
善良な生き方をしていれば、必ず報われる。
そういう漫画だった。
それは本来、ホラーとしては失格なのだ。
しかし、本作は、ホラー漫画である以前に、少年漫画であることを選んだのだと思う。
本作のアプローチは、ホラー漫画としては甘すぎても、少年漫画としては正しいと思うし、そういう甘ったるいホラーの温かさが、私は好きであった。
- 8