4.0
それは愛ではなく
序盤から驚かされた。
この「ネタ」を引っ張らず、早々に明かしてきた点にも好感を持った。
この漫画を読んで、代理ミュンヒハウゼン症候群を連想した。
ざっくり言うと、自分が周囲の関心を集めるために他者を犠牲にする、という病で、例えば、親が子どもに傷害を加え、それを自ら熱心に看病して愛情深い親を演じる、というような事例として表れる。
この漫画の狂気は、代理ミュンヒハウゼン症候群とは違うが、そこに他者への歪んだ執着と、タチの悪いマザーコンプレックスがミックスされたような、何とも救いようのない病に感じた。
そこにいくぶんの漫画的な誇張はあるにせよ、「なくもないかな」というバランスの上に成り立っており、結構怖い。
私は、愛情の形と定義には比較的ゆるい方で、何かと「それも愛なんじゃないの」と認めてしまうのだが、この漫画については、さすがに愛とは思えなかった。
愛と錯覚された愛ではない何かは、往々にして、悲劇的な結末を招く。
さて、どうなるか。
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