4.0
もう一度読むには勇気がいる。
前作の方もそうでしたが、本人の自業自得なんだけど、なんだけど!
ラストの転落っぷりがあまりにも酷すぎて…ザマァを楽しんで溜飲が下がる、というよりはひたすらに憐れ、可哀想、馬鹿すぎ、愚かすぎ…という、何というか、とにかくひどく悲しい気持ちになります。
人間の醜い汚いどうしようもない性というか業というか、それは、きっと誰にでも大なり小なりあるはずのものなんだけど、こうもまざまざと見せつけられると精神衛生上よくないというか、目を逸らしたい。
薄汚い妬み嫉み、安易なマウンティングと見下し、駄目とは思いつつも自慢したくなる心、見栄、虚栄。女性でなくとも誰しもが多少は経験あると思います。する側、される側どちらでも。
ただ、普通はこうまでならないし、分別と自制が働く。
サヤは己の振る舞いゆえに憐れな末路を辿った訳だけど、転落してなお、「見られる」ことにこだわっているのが本当に怖かったですね。懲りないというか、もう習い性なのかな。
あと、中山さん。
この作品らしく、最後にはいらやしい黒い顔を見せてくれましたね。
クソ女の代表格、詩織への強烈なザマァは見ていてスカッとしましたが、結局この人もただのお嬢さんなんかではなくて、思うところちゃんとあって、やることはきっちりやったわけで。
いや、それでこそ、なんだけど、ちょっとがっかりもしました。
人間なんて、善人はいないんだなという意味で象徴的なキャラ付けだったと思います。
そういえば、ラストのコマの「見ているよ」は、結局誰なんだろう???
最後まで何も触れていなかったけど。
やっぱり前作の主人公なのかな?
そこだけ気になりますね。
- 126