5.0
読み終えて「笑顔」になれました
アラフォーですが、仕事も人生もがんばろう!と勇気をもらいました。
レビューを書くことなんて滅多にないですが、感動と笑顔をいただいたことに感謝をこめて。
ご都合主義な成長物語と言ってしまえばそれまでですが、この話が秀逸なのは「世界のルールを変える」方向にアプローチしているところだと思います。
身長に恵まれないモデル(千雪)と一緒にパリコレに出るという夢を背負ったデザイナー(育人)が、様々な出会いや経験の中で次第に「ファッションの、ショーの在り方を変えれば良い」ということに気づき、大舞台で新たな価値観を提案していくことで世の中を変えていくわけです。作中にもあるように、性の在り方・人種・身長・体型など、多様性が認められつつある今の時代をとらえているなと感じました。
この作品はファッションではないですが、「モード」の側面をきちんと持っていて、なおかつ娯楽としても優れていると思います。最後の方のスピード感が速すぎるというレビューも見かけましたが、私は「描きすぎる」ことなくちょうどいい余韻を残した終わり方だと感じました。
ちなみに私には、ラストカットの千雪は、プロのモデルとしての顔ではなく、一人の女性の表情に見えました。
「今日はどんな風に歩けばいい?」の答えは、ランウェイの歩き方というよりも、愛する人との人生の歩き方…そんな意図を作者が込めていて、ドヤ顔しているような気がします(笑)
作者の今後の作品にも期待します。
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