5.0
偶然死なずにいる自分
親しい友人が鬱で自死を選びました。
彼女は看護士だったし、周りもまさか自ら死を選ぶなんて考えられないような、明るく、人の事によく気がつく人でした。
どうして自分は気づかなかったのか、何もしてあげられなかったのか、辛さを打ち明けてくれなかったのか…考えて眠れぬ日々が続きました。
そんな時にこの漫画を読みました。
この漫画では後半、自死を選び実行してしまった人、自殺願望がある人、両方が出て来ます。
前者は自分の気持ちさえ隠して完璧に居なくなってしまった(奥さん曰く「卑怯者」)。
後者は、自分がここにいるんだと命をかけて知らしめている、本当は生きたい人。
彼女はどっちだったんだろう?
作者の言う「身体を心が越えてしまう瞬間」がもしかしたら彼女の身にも起こってしまったのかもしれません。
その時に第三者の声があったなら、もしかしたら彼女も死なずに済んだかもしれない…。
きっと紙一重で生きている人は沢山いて、自分もたまたま長らえているだけかも知れません。
偶然生きてて欲しかったです。
- 34