5.0
余韻を残す、粋なfin。
作家さん買いです。
この作家さんには珍しく、とても辛い過去を生きてきた男の子が主人公です。はたから見たらかなり酷い扱いを受けているんだけど、それを異常だと指摘して正そうとする大人がいない事、異常だと認めてしまったら辛すぎるし生きていけなくなると思い込んでいるからあえて、普通だと思い込んでいた蓮くん。
その名の通り、太陽のような温かさと真っ直ぐさで蓮くんを包み込む陽歩さん。蓮くんが大好きな陽歩さんと心も結ばれて生まれ変わったような瞬間は、もらい泣きしました。蓮くんは、陽歩さんと陽の当たる道を一緒に歩いていける人間になりたくてアメリカに行って、陽歩さんもそれを信じて待っていたんじゃないかと思いました。カップルになってからの甘々をあえて描かないから逆に、ニュアンスと味のある良い終わり方です。やっぱり、この作家さんは、良い!社長さん夫婦も、すごく良い感じの人達です。
それにしても、蓮くん…。あの綺麗な蓮の花って、泥に咲くんだよねぇ…と思いながら読んでました。切な綺麗な子です。
これから2人で、幸せに生きてね。
チャラチャラ軽い感じに飽きたらどうぞ。
重めではあるけれど、良い作品ですから。
実写化してもいけるんじゃないかなぁ。
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