1.0
承認欲求・表現の稚拙さ
承認欲求は、私にもある。
例えば、仕事で認められたい。
例えば、妻にカッコいいと思ってほしい。
それは「リアル」での話じゃん、というならば、ネット上の話でもいい。
例えば、このサイトで自分のレビューに「参考になった」が入れば、嬉しい。
それは、SNS(私はやらないが)での承認欲求と、本質的にはさして変わらないと思う。
ネット上での承認欲求は、無自覚に生まれやすいし、手軽に自分を偽れるぶんだけ、歪んだり、現実と乖離していく怖さがあるし、程度によっては現代の病の一種だろうから、上手く描けば面白いテーマだと思う。
ところが、この漫画はびっくりするほど面白くない。
理由は色々あるけれど、ひとつには、あまりに表現が稚拙すぎる。
絵の上手い・下手については触れないが、要するに、登場人物の感情をモロに文字で書く以上の表現が、この漫画には何もない。
小学生の作文じゃあるまいし、例えば漫画の主人公が「俺は今、嬉しいぞ!」とか「うおー!悲しいぜ!」とかしか言わなかったら、そんなもの、もはや表現とは呼べない。
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