5.0
倫理を、漫画に
高校のとき、倫理の授業があった。
教師は、確か曹洞宗かなんかの住職で、酒好きの破戒僧だったが、授業は面白かった。
何が面白かったのか、上手く説明できない。
ただ、十七歳の私はおそらく、生きる、ということについて、今よりずっと必死に悩んでいたのだろう。
そして倫理という学問は、私たちが生きる、ということに関して、何かしらのヒント(答え、ではなくて)を与えてくれるものだと感じられたのではないか、と今では思っている。
倫理という学問に、唯一の最終的な正解はない。
それは、私たちがどう生きるべきかという命題の答えが、唯一ではあり得ないからだ。
だがもし、「倫理の授業を漫画にしろ」というお題があったなら。
この漫画は、100点満点に近い回答なのではないかと思った。
それくらい、面白かった。
是非、多くの人に読んでほしい。
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