3.0
パロディ、ないし再構築
「本当は怖いグリム童話」的な作品ではなくて、グリム童話を下敷きにしたパロディというか、グリム童話を再構築したような話というか、そんな感じ。
私はこういうタイプの話の作り方が、わりに好きである。
表題作は、コンパクトで、ちょっとひねりが効いていて、なおかつこの作品群のルールというか、「嗚呼、こういう方向性の漫画なのね」ということをわかりやすく提示するという意味でも、いいと思った。
ただまあ、タイトルは微妙なところで、ギリギリセーフのところを狙ってはいるものの、この題名のせいでオチを予想できてしまった読者というのは、結構いるのではなかろうか。
逆に、オチを読めなければ、「そうか、タイトルそういうことか!」というプラスアルファのサプライズが得られるわけで、難しいところだ。
こういう漫画は、作品を満喫するという意味合いにおいては、騙された人の勝ちである。
- 5