4.0
キュートでドライで潔い
私の苦手な女性の殺し屋設定(そんなのいるわけねえじゃん、と思っちゃう)の漫画だが、なかなかどうして、面白かった。
リアリティー、ない。
作品の奥行きだとか、深みだとか、そういうことを言いだせば、まあ、正直、ない。
にも関わらず、スピード感に溢れる美しいアクションと、キュートでドライな殺し屋少女の造形は、実に爽快感と清涼感に溢れていて、いやー、空っぽだけど、とても楽しい時間だった。
印象としては、何も考えずに見られるスタイリッシュなアクション映画のそれで、「何もないこと」をストレートに楽しめる作品も、やはりいいな、と。
そういうタイプの作品は、小手先のごまかしがきかない分、絶対的な力量・技量が、如実に作品に表れる。
その点、お見事である。
だいたい、タイトルが潔くていいじゃんか。
大して深いものなんか何もないのに、「何かありそう」なことを標榜する作品が巷に溢れる中、「いや、バイオレンスとアクションしかないっすよ」という堂々たる提示は、賞賛に値する。
- 9