3.0
能力者の好感度
人の写真を指で押すとよからぬ影響を与える、という特殊能力を持った、神社の息子の兄弟の漫画。
「デスノート」の亜種みたいなものかと思って読み始めたが、全然違う。
作品の手触りはサスペンスというより、むしろヒューマンである。
そういう意味では、表紙が悪い。
「気に入らない奴はどんどん消してやるぜ…この指でな!」みたいな表紙じゃないですか?
主人公の能力者兄弟はいたって好青年で、「デスノート」の夜神のライちゃんみたいな野望もなく、ああいう道徳心の欠如したサイコ系でもなく、自らの能力を恐れ、葛藤しながら生きている。
ストーリーは正直、もう一捻り欲しいし、無理があるところもあるけれど、人間らしい兄弟の好感度が助けとなって、なかなか気持ちよく読めた。
ただまあ、登場人物たちの顔の描き分けは、ちょっと気になる。
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