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もどかしい思いを抱えている人々への応援歌
もし、同性を恋愛対象として好きになってしまった場合、自分が異性として存在できたのなら…この物語は、そんな願いが叶ってしまうところから始まります。弥白の、その突拍子もない願いを叶えてしまうのが、神様だというのだから、最強だよね。ただし、神様が叶えてくれるのは、そこまで。相手のケンタの気持ちを、こちらに向けられるかどうかは、自分次第ということです。女の子になって付き合うというバージョンも含め、神様のえこひいきの下、いくつかの「if」を経た後、弥白とケンタの選んだ「自分たちらしさ」とは…?
このお話を読んでいると、世間の目を気にするが故に、本当の望みを我慢し、自分の気持ちを押し殺して家庭を築いている人々が、意外といるのかも…と思わされます。神様が弥白をえこひいきし続けた理由などは、多少ご都合主義な面もありますが、それでも、このお話は多様な価値観をもつが故に、生きづらさを感じている人々への応援歌。「神様のえこひいき」がなくても、誰もが自分らしく生きられる社会を築いていきたい…そんなメッセージ性を感じる作品です。
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