3.0
性の愚かさと哀しさ
「アイズ・ワイド・シャット」というキューブリックの映画を思い出した。
ときには登場人物たちに腹が立ち、「馬鹿じゃねえの」と思いつつも、完全には笑い飛ばせない。
それはきっと、登場人物たちの愚かさや哀しさの一部が、私たち自身の愚かさや哀しさを、否応なしに思い出させるからではないだろうか。
「たかが性」に私たちは惑わされ、翻弄され、下手をすれば身を滅ぼす。
「こいつらどうしようもない阿呆だけど、あなたは、どうですか?」と言われているような気がした。
そういう意味では、すごく意地の悪い作品だと思う。
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