みんなのレビューと感想「[小説]嫁き遅れの奥様は古城で王子に溺愛される」（ネタバレ非表示）

イラストに惹かれたので、購入しました。
オレサマに見えたんですが、けっこう不思議な喋りのヒーローです。

甘い雰囲気は楽しめます

作者の構成力、語彙力、推敲が足りず、詰めの甘い完成度で、説明不足やご都合主義が多々散見されるけれど、ヒーローがとにかくかっこいいし、甘い雰囲気は楽しめました。
キャラクターもプロットもすごくいいので、非常に残念な仕上がり。
イラストはよかったです。

いちいち気になってしまったのは、ヒロインの町娘のような砕けすぎた話し方(「〜とか〜とか」「そんなんはいいんで」など)で、ヒーロー含めた王族に対して礼儀がなってないところでしたね…

他、特に気になったのは

・ヒロインの年齢詐称について、父親はもちろん、周囲のものが気づかなさすぎて不自然
・馬車の中で立ってお辞儀する描写があるけれど、どれほど天井の高い馬車なのか？
・王子殿下に対しての話し方が最初から砕けすぎでは？
・20代でも妊娠は可能、大学は22歳までなど時代設定が現代寄り？ 20歳までに結婚するのが適切だったのは、医療の発達が現代に比べると未成熟であったため、妊娠・出産・寿命などとも関係があることなのに、その年代の結婚が時代遅れと言うわりには医療が発達したようなことは一切触れていない
・名前で呼ぶよ、と言ったそばから奥さん/あなたと呼ぶ
・美しいと言ったばかりなのに、「見た目について何も言わない」などという記述がある
・バードキスという現代語…
・おなじ言葉の繰り返し(語彙力不足)
・作者の言葉足らずな箇所が散見されて、状況や位置関係など、読者が考えながら読まないといけない
・使用人がヒーローを旦那様と呼ぶが、第3王子とはいえ王子なので殿下では？
・皇太子は20歳、エレオノーラ(に扮しているアマーリエ)は25歳の設定なのに7歳年上、という表記があるなど年齢設定のブレ
・侍女が「罠にかけた理由も分からない」と言うが、すぐ直前に、侍女本人がはっきりと口にしている
・ヒーローが軍統帥を退いた理由があやふやなまま、あとがきで説明される

などなど、もっとこうしたら…と思いながら読んでしまいました。
それらがきちんと安定して書かれていれば、もっといい作品になれたのになーと思います。