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【ネタバレあり】特装版 親なるもの 断崖のレビューと感想

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  1. 評価:4.000 4.0

    忘れてはいけない

    以前の作品も途中まで読んでいましたが、買い直しました。私は物語の舞台になっている北海道の生まれです。そう遠くない史実として、本当に多くの人々の涙や汗や血が流されて今の生活できる基盤が作られたと思うと…今を大切に生きなければと思います。親に売られ、年端もいかないうちに体を酷使され、現代では『ありえない』ような辛く苦しい中で強く生きぬいた先人に本当に頭が下がります。絵は独特で好みが別れるでしょうが、物語の雰囲気にあっていて悲壮感が伝わってくると思いました。松恵、お梅、武子、道子…皆、目を逸らしたくなる境遇ですが、しっかり受け止めて続きを読んでいきたいです。

    by 匿名希望
    • 32
  2. 評価:5.000 5.0

    目を逸らさずに…

    この作品を読んで胸が締め付けられる人は多いと思います。
    何故女郎にならなければいけなかったのか…それは家が貧しいから。
    これは、女の子が産まれたらう売られることが決まっていた北の貧しい地方が舞台の話です。

    誰に買われていたか…
    それは主に軍人や船乗り、そして北海道の開拓民。

    女郎の苦しさを描いた作品はたくさんありますが、この作品では北海道の開拓民のことにも触れています。

    東京で開拓使に騙され北海道へ連れていかれ、劣悪な環境の中で働きダメになれば見捨てられる。
    女郎と同様、逃げ出せば折檻が…

    劣悪な環境の中でも仕事に精を出させる為に、金と女は必要不可欠だったことが読み進めていくうちにお分かりになると思います。

    東京の吉原での話とはかなり違う、北の遊郭の真実・歴史がぎっしり詰まっています。
    この作品を読んで泣いた方はきっと多いと思います。
    ただ同情したとかではなく…うまく言えません。

    ラストはバッドエンドではありません。
    時代背景的に「ハッピーエンド」とは言えませんが、読み終わりは重いながらもスッキリします。
    オススメです。

    by 匿名希望
    • 22
  3. 評価:5.000 5.0

    救いのない話ではない。

    とても重く苦しい内容ではありますが、救いのない不幸な話し、ではないと思います。
    生きることは死ぬよりもつらく苦しいけれど、お梅は最後まで生き抜きました。その結果、かけがえのない娘という存在を生み、義母の言うように「世界一幸せな母親」であったこともまた事実だと思います。そして、大河内家という盾を使い、道生を守り通した義母もまた、女性の強さ、優しさを感じさせる象徴的な存在でした。身請けしておきながら、ただ世間と距離を置くくらいしかしなかった旦那より、よほど強いです。
    ただ、道生が女性ながら教師という職業をもち、好青年と結婚できたのは、やはり家柄という後ろ盾があったからだと思います。
    現代社会においても、貧困の連鎖の問題は残っており、そういう意味では、いつの時代も不遇な人というのは一定数いるわけです。
    そのような中でどう生きるか。
    戦前戦後の一時代を知るだけでなく、自らの生き方を問う名作だと思います。

    by 匿名希望
    • 15
  4. 評価:5.000 5.0

    北海道の黒い歴史

    北海道出身ですが室蘭に遊郭があったとは知らず興味を惹かれて読み始めました。こんな小さなうちから二束三文で売られて一生女郎として生きていかなければならない時代が北海道にもあったのかと衝撃でした。女郎の立場で描かれていて抜けたくても抜けられず、運良く抜けられても女郎という差別はついて回る現実を登場人物を通して感情移入して読めました。あまりみない歴史的伝記として読める漫画だと思います。

    • 7
  5. 評価:5.000 5.0

    とても勉強になる作品でした。
    そして、何回泣いたかって思うほど、涙なくしては読めなかったです。

    特に最終話は号泣しました。
    お梅の子ども、道生が大人になって教師になり、戦争の恐ろしさを子ども達に教えているというところと、お嫁へ行くところ。

    お梅が生きてれば、立派になった道生の姿を見ることができたかもしれないと思うと、涙が止まりませんでした。

    ショックな内容もあったけど、最後まで読んで良かったと思いました。

    • 5
  6. 評価:5.000 5.0

    もんでんあきこ先生のインタビュー(?)で作品を知り読み始めました。心まで凍るような寒い北の空気が伝わってくるお話です。器量良しで売られたその日にお客をとらされ死を選んだ松恵。厳しい芸の道を選んだ賢く美しい武子。姉の分まで女郎として力強く生きる梅。(名前が松竹梅ですね。)容姿に恵まれず、女郎として生きる道も選べない道子の4人の少女たちの姿が痛々しいです。貧しい時代に家族のために売られた少女たちに幸せになる道はあるのでしょうか。どの道で成功しても幸せになれたとは思えないし。女性にとってこんなに恐ろしい時代があったなんて。
    他にもたくさん遊郭のお話を取り扱ったものがありますが、この作品はすごくリアリティがあり、引き込まれます。最後まで大事に読みたいと思います。

    • 2
  7. 評価:5.000 5.0

    受け止める現実

    試し読みで即購入しました。
    結婚も出来ない年齢で身を売る場に売られてしまう少女、11歳で身体を売る少女、13歳で廓を乗っ取る為に動き始める少女、16歳で何も分からぬまま客と寝させられ自決してしまう少女、そんな少女たちに憧れて客を取りてえと泣いて訴える少女…。まだ最後まで読んでいないけど、誰か1人でもいいから幸せになって欲しい。けれどきっとならない。
    日本に生まれて良かったと思える世代とは掛け離れた現実。我々は日々感謝して生きないといけないと思わされます。

    by 成鹿
    • 2
  8. 評価:5.000 5.0

    すごい時代

    こんな残酷なことがまかり通っていた時代があったんだ..と思いました。人権も何もない、借金のある(するしかない)家の娘はただ売られて、置き屋のいいなりになるしかない。ふるさとの好きな人といっしょになりたかったのに、知らない男に買われて叶わなかった姉。姉の分もと淡々と働く初潮もまだない妹。吉原とはまた違う、北の遊廓。何度も重いため息が出ました。こういう時代があって今がある、知っておくべき歴史だと思います。

    • 0
  9. 評価:4.000 4.0

    何年か前に最後まで読みました。辛いなかでも生きていくしかない当時のお話を心痛めながら読みました。まだ小さい少女が置かれた環境を受け入れて大人になっていく姿が描かれています。容姿が綺麗な子、そうでない子、色々ありました。ヒロインは大好きな姉を亡くしトラウマを抱えながらも生きていきます。やがて心許せる人との出会いもありましたが、その人とは結ばれず、別の方に身請けされ、子ももうけます。女郎として生きてきたのを嗅ぎつけた近所の男の子からひどい仕打ちを受け、それを子に見られた時の顔が忘れられません。子が祖母によって立派に育てられたことが、何より良かった。心に残る作品でした。

    • 1
  10. 評価:4.000 4.0

    読んでよかったと思えた。
    過去にあった事実を初めて知りました。
    今まで彼女たち、彼らの存在を知らずにいたことに、申し訳ないような気持ちになった。
    せめてただ知ることだけでも、大事なことのような気がした。
    このような時代があり、それを経て、今につながっているのだと実感。
    壮絶だけど、当時のことを美化せず、汚い部分まで丁寧に描いてある。
    少しでも過酷な事実をそのまま伝えようとする、作者さんの誠意ある姿勢を感じました。
    しいていうならば、
    漫画としては絵があまり好みじゃなかったですが、ストーリーとしては素朴なこの絵だからこそ、よかった気もします。

    • 1
ネタバレあり:全ての評価 1 - 10件目/全128件

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