みんなのレビューと感想「愚者の皮」(ネタバレ非表示)

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  1. 評価:5.000 5.0

    良い話です。

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    これは、寓話だと思う。

    これはただ、
    一組の夫婦の長い年月の愛の移り変わりを短縮的に見せた、寓話。

    妻のその美しい容姿を愛する夫。
    美貌が損なわれ始め、
    愛は薄れゆき、
    浮気に走る夫、
    そしてそれを怨み、嫉妬し、また愛を乞う故に若さと美貌を追い求めてしまう妻、
    男と女のどうしようもない性。

    そういう性を全て曝け出し、呪い憎み、全ての膿を出し切って、
    その醜さすらも愛し、認めた時にこそ、
    人の愛情は報われる。

    愛される事を一切求めずに、
    愛している喜びと、相手もまた、愛してくれている奇跡に幸福を感じられる魂が、
    何よりも美しいのですよ、

    と伝える寓話。

    整形の失敗の話や、その治り方などは、寓話なので、そこを作り込む必要など、このお話にはない。

    現代を舞台にしてるだけ。
    多分舞台は何処だっていいのでしょう。
    作者の表現したい事を効率良く見せる為に必要だったから、現代なだけ。

    きっと、読んだ後、
    ホッとした様な…
    喜ばしい様な…
    爽やかな様な…
    炭酸が喉を通り過ぎた後の様な…
    色んな物が複雑に混じる、そんな気持ちになるお話です。


    このお話には他に「チガヤ編」と言うあよの生き別れの妹のお話がある様です。
    もう一人メグリという妹もいる様なので、
    後2編はあるのかと思います。

    どちらも楽しみです。

    あよは声を失い、
    チガヤは視力を失った様なので、
    メグリは聴力を失うのかもしれないな〜とちょっと予想などもしつつ、

    この「醜さと夫婦」という材料で、どんな3種の寓話を聴かせてもらえるのか、
    ベットに入った子供の様な気持ちで読みたいと思います。

    本当に一見の価値ありの良作でした。

    • 32
  2. 評価:5.000 5.0

    人間の愚かさ、強さと美しさ、本当の愛とは

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    広告でみたとき、正直買おうとは思っていませんでした。

    でも、何となく気になり、レビューを読んだところとても絶賛されていたので試しに購入。一気に最後まで読み終えました。

    最初は読んでいて辛くなりました。
    主人公あよの身に降りかかる災難、顔が醜くなったことに対する夫・英馬の拒絶反応、その後しばらくは復讐に燃えるあよ…

    でも、12話の【心の毒】のあたりから少しずつ変化が…

    自分のことを、どろどろとした汚い感情も含めて受け入れてから少しずつ変化が起こります。
    英馬も、初めは酷い男だと思っていましたが、憎みきれない部分があります。

    やはり人は複雑な生き物。
    さまざまな部分があり、それをすべて理解した上で相手を受け入れる心が持てたとき、自分が変わります。そして、その影響を受けて相手も変わっていきます。

    とても素敵な作品で、結末も良かったです。塩酸の下りは、無くても良かったのですが、これはこれで二人の愛の深さを表すエピソードになっているようにも思いました。
    ぜひ一度、呼んで頂きたいです。

    • 25
  3. 評価:5.000 5.0

    この作者は達観している

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    他のサイトの広告からたどり着き、試し読みで引き込まれていった。人の顔の、特に女の顔の美醜をテーマにした物語が好きで、大変興味深く読めた。安易な整形に警告したり、人を見た目で判断するなというお決まりの題材かと思いきや、壮大な愛を扱って終結する。最後の章は涙を流してしまった。不幸のどん底を経験をしたからこそ達観出来た人間は強い。登場人物で土子という女、容姿の醜さと心の醜さが救いようのない人間であるがこれも定理であり真実なのか?と思ってしまった。外見は内面の鏡である。もっと柔軟な心といい意味での勘の良さ、時代を読む力、情報収集力、他人を不快にさせないマナー、これらを持っていたらあのような容姿にはなりようがない。情報があふれる世の中で、自分をある程度に磨くことも出来ず不平不満を言い、輝いている者を妬み失脚させる。自分を客観視出来ていない。すべてが、醜いのである。この作品には原作者が特にないようだが、だとすれば作者がこの話を編み出し絵を描いたということだ。年代がどのくらいの作者か私は知らないが、割と年齢を重ねた、紆余曲折した経験をもつ達観した方なのではないか。若いだけの夫婦が、やがて俗世間の名声から離れたところに行き着き、崇高な精神の領域にたどり着く。高い精神性は塩酸の毒牙からさえも結果的に美しい顔を守ってしまった。一種の崇高さが見せたマジックだ。人の姿かたちというもの、心の在り方、絶対的な愛。目指さなければいけないもの。沢山考えさせられた作品だった。

    • 22
  4. 評価:5.000 5.0

    賛否あるけど、私は感動しました。

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    まず、絵柄は美麗ではありませんし、古臭い感じがします。
    あよの顔が本当にグロくて夢に出て来そうです。
    終盤の、神話にかけたエピソードは蛇足だと思うし、
    塩酸?硫酸?かけられた英馬の顔が(目以外)完全に綺麗だったり、それをあよが舐め取って声が出なくなる...とかは、何だか読んでいてイヤでした。
    あよの顔も、不安定なままのが良かった気もします。

    それでも☆5個つけたくなるくらいに、良い作品です!
    執着したり憎んだり戸惑ったり情とか弱さとか、人間の渦巻く気持ちの複雑さが丁寧に描かれていて、心の琴線にふれまくりました!
    後半あたりからは何度も涙が溢れてきて、イッキ読みしてしまいました。
    あよの顔の、通常バージョン、ものすごく醜悪バージョン、小康バージョンなど、細かく描きわけられている点も注目ポイントです!


    めちゃコミではまだ未配信のようですが、
    あよの妹のチガヤ編があるようなので是非配信希望です(((o(*゚▽゚*)o)))

    • 21
  5. 評価:5.000 5.0

    面白かった!

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    一体どんな結末になるんだろうと続きが気になってしまい、最後まで一気に読みました。

    序盤はドロドロ過ぎて読むのにとても労力がいりましたが、打って変わって中盤はギャグ漫画のようなノリで読めました(笑)

    姉妹のお姉ちゃんのキャラの濃さや、亜澄が整形しちゃって泣き暴れる英馬になぜか笑いが込み上げたり。絵柄がそう思わせるのでしょうか…?
    ほかには中途半端に毒素を抜いたあよの【不安定な状態】に突っ込まずにいられなかったり、醜くなったあよを嫌いつつも放っておけない英馬にツンデレ認定したくなったり。
    そういう点が気になる人には、もう突っ込まずにはいられなくなる突っ込みどころ満載の漫画です。
    ただ、そこからのラストが感動的でびっくりしました。不覚にも泣きました。

    笑いあり!(←私だけかもしれませんが)
    涙あり!(←人によっては流れないかも)
    人間の愚かさも素晴らしさも見事に描いた作品だと思います!

    by 匿名希望
    • 21
  6. 評価:5.000 5.0

    お伽噺ですが 面白い! あえて★5

    表紙と 中身の画にギャップあり
    あまり好みの画ではなかったのですが
    読まされました

    美しさに拘りを持つ夫と 純粋可憐な妻のストーリー
    妻の美貌が 一変した後の展開が凄まじいです
    『んな馬鹿な。。』と思うくらいの容貌描写と
    夫の仕打ち
    都合の良い展開と思いつつも テンポ良い
    ストーリー展開と ヒロインあよのパワフルさに
    惹き付けられ 一気読みでした!

    本来の性と 人は 変わることができるという
    夫婦の姿に 爽快感と感慨深さを覚えます

    芥川龍之介の『鼻』に似た面白さを感じました

    • 16
  7. 評価:5.000 5.0

    なんというか…

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    一気に最終話まで購入、読破してしまいました。
    最初は、他の方も書かれているように、見た目が醜くなってしまったことで旦那にも捨てられ心まで醜くなってしまった「あよ」の復讐劇でしたが、いろんな人と出会い、考えさせられ、立ち直っていくあよ…
    最終話に近付くにつれ、どうなる…どうなる!?とドキドキしました。
    読み終わって、とてもすっきりしたし、なんて素敵な夫婦なの!と思いました。
    また少し時間を置いてじっくり読み直したくなる作品でした。

    by 匿名希望
    • 15
  8. 評価:5.000 5.0

    思いがけず素敵なものがたり

    たびたびバナー広告で見かけていたけど、恨みつらみが重たそうで酷い話なんだろうな…と思い敬遠していました。
    ところが、レビューを見てみると感動の嵐が吹きあれている。最後まで読むべき!と言う人がたくさん。
    半信半疑でしたが、思い切ってポイントを購入し、最後まで読んでみました。
    最初のほうは、やはりバナーで見たときに感じたとおり、重たい怨念やエグい描写、キモい演出が目立ちましたが、
    中盤あたりから主人公の内面をぐっと掘り下げるようになり、読み手をイヤ〜な気持ちにするための漫画ではなくなっていました。
    最後は思いがけず、涙なしには…
    登場人物の瞳のうつくしさがとてもつよく印象に残りました。
    レビューされていた方々と同じく、わたしも全話読まれることをお勧めします。
    読むのを躊躇される方、エグいのは最初の数話です。
    思ったほどひどい話ではありませんよ。

    by 匿名希望
    • 15
  9. 評価:5.000 5.0

    心の洗濯。

    特定の相手を只今絶賛憎しみ中です。

    あまりにも理不尽な裏切られ方をされたので、怒り心頭で眠れない夜を過ごしておりましたが、この作品を読んだら少しではありましたが心が楽になりました。
    台詞がとても素晴らしいものばかりで、メモっていつも持ち歩きたいくらいです。

    確かに、誰かを憎むって大変疲れます。
    そのせいで身体も壊すわで、本人にとっては損しかないのですが、なかなか怒りや憎しみって消えないんですよね……。

    この作品を読んだからって、今、抱えてるいる憎しみは当たり前のように消えたりはしません。
    ですが、ほんの少し心が洗われた様な気持ちになりました。

    情操教育にも向いてる作品だと思います。
    多くの方々に読んでもらいたいです*

    • 14
  10. 評価:5.000 5.0

    良作どころか

    傑作です。ここまで感情移入出来る作品はまだ出会ったことがなかったので星5をつけさせていただきました。

    中盤までは夫側に強い共感を抱きました(というより「あよ」が怖くて読むのやめようかと思った)が、中盤以降は両者に感情移入していました。

    若い人には中々馴染めない絵柄ですが、それ故に悪役の憎たらしさも際立っており登場人物は皆極めて印象的で全ての人物が物語の構成に深く関わっている様に感じました。

    私の中で、ここ数年で読んだ中でも1、2を争う傑作です。

    by NB1229
    • 11
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